OpenOffice.orgの勧め

オフィススイート(表計算ワープロなどのソフトウェアパッケージ)というと前述のMicrosoft Officeを連想しがちだが、その他にも表計算ソフト123(ワンツースリー)に代表されるロータスのLotus Super OfficeやコーレルのWord Perfect Office、アップルコンピュータiWorkApple Works、そして純国産のジャストシステム一太郎Officeなど実は結構選択肢があったりする。
機能的なことや使い勝手は、個人で仕事用の文書(スプレッドシートやプレゼンなど)を作る範囲においては殆ど平行線といっていいほどで、エクセルで作れる文書ならロータス表計算ソフト123やジャストシステム三四郎でも大抵の場合は問題なく作成することができる。それなのにマイクロソフト製品が圧倒的なシェアであり、官公庁や自治体といった役所主催のパソコン講習をはじめ学校などでも使用されていて今や国産の同等ソフトを差し置き国民的ソフトとさえ言えるようになったのはマイクロソフトの営業的な戦略、すなわちパソコンを一人一台持てる程度の経済力を持ちながら、それを活用し積極的に理解しない人が大多数(簡単にいえばバカな金持ち)であるという日本の市場性に合致したからであろう。OSにしてもオフィススイートにしても役所を挙げて海外のしかも単独企業の製品を集中的に応援するような行為は、他のどの国にもあり得ないのではないだろうか。(マイクロソフトの製品を使用してはいけない国というのもあるらしい)
まあその辺のことは考え出すときりがなく「がんばれゲイツ君(http://www.asahi-net.or.jp/~FV6N-TNSK/gates/index.html)」のような有名サイトもあるのでこれ以上の言及を避けるが、ただ一つ言えるのはこれだけたくさんの製品の選択肢がありながら最も高額なオフィススイートを使用しているということだ。
単純に価格を比較してみよう。価格は今日現在の価格ドットコムとアマゾンを参考にした。
(ワ=ワープロ、表=表計算、デ=データベース、プ=プレゼンテーション)

  • Microsoft Office Professional Edition 2003 日本語版(ワ、表、デ、プ、他)価格幅\44,400〜\58,453
  • JUSTSYSTEM 三四郎 2005 + 一太郎2006&花子2006 スペシャルパック (ワ、表、他)価格\24,450円
  • e-Frontier EIOficce 2004+ スタンダード価格幅(ワ、表、プ、他)\12,689〜\14,000
  • SOUNEXT Lotus SuperOffice スリムパッケージ版(ワ、表、デ、プ、他)価格幅\2,376〜\2,780)
  • SOUNEXT StarSuite 7 パーソナルパック (ワ、表、デ、プ、他)価格幅\1,848〜\1,848
  • Apple iWork'06(ワ、プ、他)価格幅\8,169〜\8,800

もっとも安いSOUNEXT Lotus SuperOfficeからすれば20倍も高いのだ。それで20倍便利で早いというなら理解もできるがもちろんそんなことはない。動作におけるパフォーマンスなどや安定性はLOTUSのほうがいいくらいだ。JUSTSYSTEM一太郎に付属する日本語入力システムATOKは日本語の取り扱いにおいて最強だしワープロの作りは純国産らしく秀逸である。(最近はいらない機能盛りだくさんでちょっとアレだが・・)プレゼンテーションといえばマイクロソフト製品ではパワーポイントだが、その美しさやバリエーションでアップルのiWorksに含まれるプレゼン作成ソフトKeynoteは、パワーポイントに慣れていると感動するほどすばらしい。
単純にユーザーが機能や使い勝手を比較するとMicrosoft Officeというのは単なる平凡なソフトとなるのだが、その価格と不安定な動作を考え合わせると、みんななぜこれを使っているのかが不思議ですらある。コンシューマモデルのパソコンにはMicrosoft Office Personalがバンドルされているので意図せず無知なユーザーのパソコンには入っているという状況は分かるが、そういうユーザーはパソコンの商品代金と一緒にソフトウェアのライセンス料金を取られていることをきちんと知るべきであると思う。(ビジネスモデルやメーカーのカスタマイズモデルはオフィスのバンドルを外せるので安いのだ)
さて、ここまで書いてやっと本題である。実はオフィススイートはフリーソフトとして使用料無料で配布されているのもいくつかあるのだけど、その中でも「OpenOffice.org」というのははっきり言ってスゴイ。ワープロ表計算、プレゼンは、メニューバーからツールバーまでMicrosoft Officeにそっくりで機能もマクロはもちろんVBAっぽいBASICまでちゃんと使える、データベースもACCESSのようなリレーショナルがACCESSよりもシンプルに組めるようになっている、また殆どのマイクロソフトオフィスの文書を殆どそのままの見た目で開くことができる上、PDFを直接出力できるあたりはMicrosoft Officeよりも上である。
ソフトウェアの世界では「高額=高性能」という図式は通用しないことをみんなもっと知ったほうが良いよね。
(画像はOpenOffice.org2.0日本語版)