Microsoft(R) Office Professional Plus 2007

おそらく来年に発売になるだろう新しいマイクロソフトオフィスのベータ版を入手した。僕は現行のオフィス(Microsoft Office Professional Edition 2003)の前バージョンであるOffice XPでMOTマイクロソフトオフィシャルトレーナー)を取得したので、その通過点であるMOUS上級が取れる程度には使えるし、某職業訓練では現行バージョンを散々教えているので普段の仕事で使う程度の機能は理解しているつもりだ。(個人的な趣味で言うと好きというわけではないのだが・・)
その上、企業において個人ユーザーが必要なドキュメントや計算書、レポートといった書類を業務上許されるであろう効率で作成するうえでは4つ前のバージョンであるOffice 97で充分であり、バージョンが低いことでの機能上の不足は無いと感じている。
だからOSが安定しさえしておりマシンも健康ならアップグレードの必要は無いと思う。もっともWindows 95から98、MEといった貧弱なメモリ管理しかできないWindowsのシリーズが廃止されて久しく、コンシューマモデルに従来よりは安定したWindows XP Homeが主に供給されるようになってバンドル(このバンドルも問題だが)されるようになったOffice XPを以て、比較的長時間安心してOfficeで作業できるようになったわけなので、そういう意味での完成形はWindows XP+Office XPという4年ほど前から出荷されている形ではないかと思う。
さてOffice XPからOffice 2003へのアップグレードの際にも作業効率に大きく影響を及ぼすような改善点は無く、メーカーも経営的見地から新商品は出さないといけないけど、かといって機能強化する部分があるわけでもないのでチョコチョコしたどうでもいい部分(スマートタグや作業ウインドウに代表される部分)の変更とバグフックスで新商品と言い切ってしまわないといけないというあたり、メーカーの苦しさすら感じた。今回のアップグレードはそれを更に上塗りしたものだということは必至なので、ある意味以前から楽しみにしていたのだが見事に予想通りの展開をしてくれた。ありがとうマイクロソフトさん。
さてこの新しいOfficeは見た目がものすごく違う。JUSTSYSTEM一太郎のプロフェッショナルモード(だったかな・・しかし一太郎はもちろん従来の操作系と互換性がある)のように今まで使って来て覚えてきた場所にアイコンがなく、かつてアップルコンピュータからパクって採用したと思われる伝統的な配列のメニューバーもない。あるのは大きさが異なるアイコンの羅列とそれを切り替えるタブ式のボタンなのだ。全体の意匠は最近よく使われがちなWindowsのイメージカラーのパステル調にグラデーションの画面でビジネスアプリと思えないような趣だ。
協調作業のための機能など個人ユーザーに関係ない機能を除けば、エクセルにおける関数やワードの編集コマンドの強化といった直接的なコマンドの点で目新しい機能は無く、やはり最も目玉としてあげられているのがユーザーインターフェイス(見た目と操作法)の変更のようだ。
さてこの新しいユーザーインターフェイスは今までのOfficeを使ってきた人なら割とすぐにわかる程度に整理されている。コマンドはタブで分類されており、アイコンに文字も付いたりしててぱっとみてどこにどの機能が付いているかわかりやすい。とはいっても探す手間があるのは確かであるし、ツールバーでコマンドをワンクリックアクセスしていたのがタブ切り替えでツークリックになったあたり、ショートカットキーを使わないような初心者から中級者の作業はむしろ効率的でなくなるとしか思えない。
使いながら現在までの使い勝手やユーザーインターインターフェイスと切り替えられるような選択肢をなぜ設けてないのか不思議に思ったが、しばらく使うと謎が解けた。今までの操作系を作ってしまうと多分これは前バージョンと同じであることがバレるからだろう。
また完全にこの新しいユーザーインターフェイスに統一されているかといえばそうでもなく、たとえばワードでグラフを挿入するとサンプルグラフが表示されるが、この編集の時のモードは何故か見慣れたメニューバーとツールバーが出てくるし、ある機能は作業ウインドウだったかと思えば別の機能はOffice 97の時から変わらないダイヤログだったりと様々だ。僕は生徒にビジネスアプリの操作を教える際に直感的にコマンドを探して使うよう指導しているが、一貫性の無いこのインターフェースは直感的な操作を妨げているとしか思えない。この新しいオフィスが出荷される頃は教え方を変えないといけないようだ。