Skypeがすごい話

Skype―世界規模の電話代無料革命 (Estore Books)コンピュータに詳しい方ならよくご存知だろう。P2P技術を使用したファイル交換によって事実上CDなどの音楽ソースのダウンロード天国を作り出しアメリカの音楽業界を賑わせた「KaZaA」だが、このクリエータ達は今度は同じP2Pでも無料電話によって今度は世界を支配しようとしているらしい。

http://web.skype.com/home.ja.html

パソコンからインターネットを使用して音声通話を行い電話のように利用するというのは別段新しい話ではなくてもう何年も前からある。僕が初めての自作機でウインドウズ98を走らせていたときだから少なくとも5年前には(実用レベルでないにしても)マイクロソフトのネットミーティングという無料ソフトで同じ事が出来たし、その後流行った数々のメッセンジャーソフトの中でもMSN(WindowsメッセンジャーやYahooメッセンジャーで手軽にパソコン同士の通話が出来る。もちろんこれらは登録から使用まで無料である。だからニュースサイトでコンピュータ業界ではすっかりダーディーなイメージの「KaZaA」のクリエータが無料電話ソフトをリリースしたと知っても大して興味を持たなかったが、あるとき長年のネットゲーム仲間である親友のBlueeye(←もちろん通称)がチャットで「Skypeがすごいんだよ!うりさん!」と言ってきたもんだから話のネタに入れてみる事にした。
機能的には文字による会話(ICQなどのメッセンジャーのような機能)に音声通話なので、CCDカメラを使用したビデオチャットまで可能なYahooやMSNのメッセンジャーには劣る、しかしウェブサイトによれば音声の品質が格段に良いという風な事が書かれている。また通話料をユーロで先払いするスカイプアウトというのを利用する事で一般の加入電話や携帯電話にもかける事ができるらしいのだ。しかしそこまで書いていて日本語のオフィシャルサイトには詳しい事は書かれてないので不親切な感じがする。
一方いろんな事ですっかり有名になったLivedoorが国内で代理店(?)をしているらしくオフィシャルとは別に「LiveDoor Skype」というのがあって、そこのユーザー掲示板を見るといかに実用的であるかわかった。
http://www.buffalo.jp/skype/
どうやら通話料は発信地(発信国)に関係なく着信地(着信国)で決まっており日本国内にかける場合には一般加入電話で1分あたり0.019ユーロ、携帯電話で0.125ユーロらしいから円建てでそれぞれ2.58円と16.95円(本日現在)となる。何故か比較しているサイトが見つからないのでやってみると以下の通り。

方法|加入電話へ(3分)|携帯へ(3分)|
Skype |7.74円|50.85円
IP電話BBフォン)|7.5円 |75円
加入電話※市内|8.5円|54円
加入電話※170k超|40円|54円
携帯電話※市内|70円|100円
携帯電話※営業区域外|90円|120円


NTTの加入電話と携帯電話は割引プランを適用しない平日昼間とした。また携帯電話のキャリアはdocomoで「プランA」の場合とした。(間違ってたらごめんです)
あと見落としてはいけないのはSkype以外には基本料金がかかっているということだ。

IP電話BBフォン) 3993円(基本1253円+NTTライトプラン2740円)
加入電話(NTTライトプラン) 2740円
携帯電話「DocomoプランA」 3900円(基本4500円-無料通話600円)


ここまで調べるのにけっこう骨が折れた・・。電話料金って言うのは本当にわかりにくいよなあ・・。
さて、コスト的にはかなりのお得という事がこれで判明した訳だけど、実際に使ってみてどうかというのが問題だ。以前YahooのBBフォンをサービス開始直後から使用していたけど、広告とは裏腹に切れまくったりして嫌な思いを随分したし・・。まずSkype同士の無料通話は本当にすばらしいの一言だった。他のどのメッセンジャーよりも、というか僕のFOMAよりも音声が明瞭でラグ(音声の遅延)も無い。あまりのうれしさに東京の兄貴と数時間会話してしまったが、途切れる事は無かった。(途中でMSNメッセンジャービデオチャットに一時切り替えると、別世界なくらいに品質がおちた)
ここまですごいのを体験してしまった以上、一般加入電話や携帯電話にもかける事が出来るスカイプアウトを買わずにはいられないので、申し込んでみる事にした。購入ページは英語でクレジットカードのみの対応になっておりちょっと不安を感じるが、「Livedoor Skype」のユーザーの掲示板を見ると、実際に買った人のコメントを見ることができるので参考にしてやってみると意外にすんなり購入できた。ちなみに10ユーロだから1300円くらいかな。
そして早速自宅の加入電話にかけてみる。パソコン同士よりも若干音声が小さくなりラグが感じられるが、電話と同じくらいのレベルだろう。問題は携帯電話でこれは結構ラグが感じられ、おまけに音声はさらに小さくなった。何かに似ていると感じたが、それはちょうどMSNメッセンジャー同士で音声チャットした時の感じだ。本当にラグといい、レスポンスといい皮肉な事にそっくりだ。
サービスが始まって間もないにも関わらず既にソフトは7千万回もダウンロードされており今後も普及を続ける事は疑いないだろう。前述のように現在は英語のページからユーロ建てでクレジットカード(それも種類の制約あり)でしか購入できないがLivedoorでは日本円で買えるように準備しているようだ。また周辺機器大手のバッファローも紹介ページを作っている。
http://www.buffalo.jp/skype/
あと、使っていて留守番電話機能があればいいなあ・・と思っていたらちゃんと別ソフトで作られていた。
Answering Machine for Skype users
http://www.freewebs.com/skypeansweringmachine/

何年も先行してこの種のソフトをリリースしてきたマイクロソフトやYahooは出し抜かれた感じだが、ソフトウェアの高機能化ばかりに目を向けて、実用的なパフォーマンスを疎かにしてきたからに他ならないだろう、こういった流れはその他のソフトウェア開発にも一石を投じるようにになればいいと思う。またこういう動きと取り組みが「KaZaA」の製作者達によってなされたというあたりも業界関係者は考えてほしいなあ。

P.S 僕のSkypeIDは「uririn」です。