SYM RV250

台湾のオートバイメーカー「SYM」の新しいスクーター「RV250」に試乗してみた。
SYMといえば、廉価なスクーターメーカーという印象があるけど、所詮それだけだという認識だったので、今まで興味を惹かれることも無かったのだがバイク屋をやっている友人がとにかく良いスクーターだと言うし、彼の店としてはかなり珍しく試乗車も用意したというので乗せてもらうことにした。
まずスタイルだが、国内で最も人気のある同クラスのスクーターYAMAHA Majesty250と比較してもフロントビューは遜色なくなかなかかっこいい。リアも独特なスタイルだが近未来的なかっこ良さすら漂わせている挑戦的なデザインだ。
SYMをはじめ台湾メーカーのスクーターが廉価でなかなか高性能なのは以前から聞いていたけど、実車を見るとその洗練されたスタイルで国内メーカーの方が秀でていると今までは感じてきた。しかし、このRV250は曲線を多用し重厚感がある辺りも、お世辞抜きにしてなかなか良いデザインであり、従来のラインナップからすれば一線を画していると言えるかもしれない。
ぱっと見てMajestyやFORZA(HONDA)よりホイルベースも全長も短そうだけど別に小ぶりな感じはしない。足つきのときに当るフロアは内側にカーブを描いており女性など小柄な人でも足つきが良くなるように配慮されているようだ。(新しいFORZAもこういう設計だったっけね)
インパネはカーボン調(?)の化粧パネルに囲まれたちょっと小さめのアナログメーターで速度計と回転計があり、中心に液晶パネルで水温計と燃料計、あと時計に走行距離とMajestyやFORZAと同じく必要以上に充分な内容が見やすくまとめられている。インパネを総じて言えばMajestyやFORZAに比べると高級さでは負けているけどスポーティなデザインでは勝っているかもしれない。
さて乗った感じだけど、SYMの他のラインナップほどではないにしても国産の車種よりは目線ちょっと高めに感じた。ポジションやユーティリティに関しては言うことなしだ。スロットルがちょっと重めに感じたが、これは自動車を含めて海外メーカーにありがちな設定かも。(特にドイツ車のアクセルって重いよなぁ)
高い着座位置なのでバランスがどうかと思ったけど、非常に安定していて3分乗ったら慣れてしまった。加速は凶悪でも静かでもなく思ったとおりのスムースさであり、意外と回転があがらないままぐんぐんスピードが乗ってくるように感じた。
直進における安定性は幅広の重厚なボディらしくしっかりしたもので全く不安がなく、試乗したコースでは極端なアップとダウンのコーナーも試した(試乗なのにいいのか・・)がコツを掴むまでもなく安定してクイックに曲がってゆくので面白い。排気量は違えど前に乗っていたMajesty125FIよりも車重と排気量のゆとりなのか安心してコーナーに入れる。
前後ともディスクのブレーキは非常に効きの良い前ブレーキとそこそこに効く後ブレーキでバランスも良い。まあもうちょっと後ろが効けばなおいいかな。
結論だけど、なかなか良い印象を持ってしまった。驚くべきはその価格で、HIDヘッドライト標準装備で車体価格41万円ちょっとなのだ。同クラスのMajesty250やFORZAの2/3しかしない。台湾YAMAHAのMajesty125FIよりもちょっとだけ高いくらいでコレだから驚きのコストパフォーマンスだ。
今後車種も増えてカスタムパーツも充実してくれば、国内人気車種と充分に張り合える魅力を秘めている。