秋月でライブ

福岡の重鎮トロンボーン奏者T氏の別荘である福岡県甘木市秋月のライブに出演する。メンバーは最近すっかり実力派っぽくなってきた若手ジャズギタリストの石川雄一とボーカリスト竹下さおり、そして僕の3人。ギターとトロンボーンというのは一見突拍子も無い編成のようで、むしろピアノとのデュオよりもサウンドするような気がする。本番のMCで竹下嬢も言っていたが特にボサノヴァをまったりやるようなのってアルトサックスやトランペットでは絶対に出せない味があってよろしい。(その代わりバップジャズをやると負けるんだよな)

アウト・オブ・ザ・ラインそういう意外で、そしてお洒落なサウンドを石川君の師匠であり人気ギタリストである田口悌治氏に教わった、いや正確に言うと教わったのではなくて彼との演奏を通じて判ったのだけど、良いミュージシャンというのはそうやってリスナーだけでなく共演者にもいろんなヒントと感動をくれるものだと思う。
ボーカリストであれ楽器奏者であれ、極端に言えばスポーツ選手でもそうだと思うのだけど大きく分けると2種類の人が居ると思う。才能でやる人と、努力でやる人である。某マンガによればプロレスラーで言うと前者はジャイアント馬場らしい、それで後者がアントニオ猪木。もちろんそれをやることで対価を得る程度の事ができる以上は才能もありつつ努力も当然していて成り立つのだけど、比重の問題というかやっていると前述のようなことを本当に実感する。
何故かと言えば僕自身が自分のセンスと才能の無さを確認することがそのまま音楽活動だからである。
さて彼らの事に話を戻そうかな、もう何年前かも覚えて無いけど初めて竹下さおりを知った時は、良く居る普通のボーカリストという印象だった。何かの思いつきで筑紫野市の「Milwaukee」の月イチライブに誘ったときに正直意外なほど才能を開花させていて、驚いて以降僕のグループのショーステージの時には何かにつけてお願いしている。謙虚に見えて近年加速的に歌唱力とステージワークを伸ばしているあたり音楽に対する貪欲さが伺える。そのひとつの証拠は僕が共演させてもらうジャズボーカリストの中ではレパートリーの多さ(つまり新曲への取組み)がピカイチであることや毎回趣向の違う演出を試すような試みを絶え間なく続けていることだ。
今回もひとつ意外を感じた、前述の2タイプの話だけど、彼女の年齢(←禁句かも)で短期間に才能を伸ばしていくあたり、僕は彼女を後者の「努力系」(即ち猪木ね)だと思っていて自分と似たタイプなのかもしれないと一方的な親近感を抱いていたが、ある曲の歌い出しをアカペラ(無伴奏)ではじめたのだ。そういう場合は多くの場合プロでも他の楽器のガイドになる音をちょっと聴いてから始める(じゃないと楽器が入ってきたときに音が合わないことがある)のだけど、彼女はガイド無しで完璧な音程で歌いだした。絶対音感が無いと出来ない事でそれは努力によってはほとんど克服できない大きな才能だ。つまり彼女は猪木でなくジャイアント馬場タイプだったのだ。

あーいっぱい書いたので疲れた・・。石川君のはそのうち書こうっと♪
http://www11.ocn.ne.jp/~youitchy/
↑石川雄一のウェブサイト:今これ見て知ったけど誕生日は元旦なんだね、(*´∀)アヒャヒャ